第三弾の詳細調査として、飲みやすさを比較しました。ケイ素サプリメントは、毎日飲むものですので、食品としての使い勝手である「飲みやすさ」も商品の大きなポイントとなると思います。一口に飲みやすさといっても、飲むシーンによってもその評価は異なりますし錠剤などの固形物となるとそのサイズも大きなポイントとなります。最近の医薬品はお子様や高齢者の誤嚥の危険性に配慮した小さいサイズが主流となっており、健康食品でも同じような傾向が見られます。
名称 |
形状·飲み方 1日摂取目安 |
味 |
①そのまま飲めるか |
②一口で摂取可能か |
---|---|---|---|---|
③安全上の注意点はないか? |
総合判断 (すべて○⇒◎、○×混在⇒○、△、すべて×⇒×) |
備考 |
||
1 健骨·健歯·健康美ライシア (フレスコ·ヘルスケア) |
粉末 マドラースプーン1杯(100mg) そのままでも 何かに混ぜても |
若干の苦み |
○ |
○△ 飲み易い。ただ、一回分が人により変わりやすい |
○ |
総合評価○ |
メーカーによると、2017年4月後半に、「錠剤」「ソフトカプセル」を販売予定。いずれも1日2粒摂取目安で、飲みやすさを重視したということ。 |
||
2 umo plus (APAコーポレーション) |
液体 1回20~30滴を10回以上 飲み物に混ぜて |
無味 |
× 希釈が必要 |
× |
× 「強アルカリ性」のためそのまま飲めない。目や皮膚に触れると危険な場合もある |
総合評価× |
強アルカリ性 (pH 11~12) |
||
3 超濃縮ケイ素PF (APAコーポレーション) |
液体 1回5~30滴を数回に分けて 飲み物に混ぜて |
無味 |
× 希釈が必要 |
× |
× 「強アルカリ性」のためそのまま飲めない。目や皮膚に触れると危険な場合もある |
総合評価× |
強アルカリ性 (pH 11.5~12.5) |
||
4 Amorphous100 (メディエーションズ) |
ハードカプセル 3カプセル |
無味 |
○ |
× カプセルが3粒で一度に飲むことは困難 |
○ |
総合評価○ |
|||
5 シリカコンプレックス (NOW) |
タブレット 1~3タブレット 長径約22mm、短径約8mm |
臭いのきつさを指摘する口コミが多い。錠剤が大きい(錠剤) |
○ |
× 粒が大きく一度で何粒も飲むことは困難 |
△ 原料のスギナは、安全性が確認されていない注意物質である |
総合評価○△ |
日本では製造、販売、輸入販売が認められていないキレートミネラル、(個人責任での輸入のみ入手可能) |
||
6 ベジシリカ (フローラ) |
ハードカプセル 1~3カプセル 直径21mm、短径7mm |
無味 |
○ |
× 粒が大きく一度で何粒も飲むことは困難 |
△ 原料のスギナは、安全性が確認されていない注意物質である |
総合評価○△ |
日本では製造、販売、輸入販売が認められていないキレートミネラル、(個人責任での輸入のみ入手可能) |
||
7 シリシア (アントン·ヒューブナー) |
ゼリー状 大さじ1杯 飲み物に混ぜて |
無味 |
× 希釈が必要 |
× |
○ |
総合評価△ |
|||
8 ライスシリカプレミアムRICE SILICA PREMIUM (クレディ創食) |
液体 2cc~3.5ccを3回 飲み物に混ぜて |
ほとんど無味 |
× 希釈が必要 |
× |
× 「強アルカリ性」のためそのまま飲めない。目や皮膚に触れると危険な場合もある |
総合評価× |
強アルカリ性 ( 11.5±0.3) |
||
9 からだ天国 ((一般社団法人)グラント) |
液体 3cc~3.5ccを3回 飲み物に混ぜて |
無味 |
× 希釈が必要 |
× |
× 「強アルカリ性」のためそのまま飲めない。目や皮膚に触れると危険な場合もある |
総合評価× |
強アルカリ性 (11.5±0.3) |
||
10 リアルサプリ ケイ素 (リアルサプリメント) |
錠剤250mgを3粒 |
? |
○ |
△ 一日目安量3粒。しかし、ケイ素40mgの半分未満しか摂取できない |
△ 原料のスギナは、安全性が確認されていない注意物質である |
総合評価○△ |
メーカーによると、微粒二酸化ケイ素は、日本又は中国で化学的に合成されたものだが、非晶質か結晶質かはわからないということ |
||
11 ドクター·シリカ·ウォーター (神の郷温泉) |
液体 飲料水 |
無味 |
○ |
× |
○ |
総合評価○ |
「美ウォーター」も製造元は同じ |
錠剤(タブレット)
一般的に考えると、錠剤タイプは飲みやすく、持ち運びも便利です。選抜主要商品リストでは、「シリカコンプレックス(NOW)」「リアルサプリ ケイ素(リアルサプリメント)」は錠剤タイプです。しかし、注意しなければならないのは、とくに「シリカコンプレックス(NOW)」は、アメリカ製の錠剤であり、粒が非常に大きいのが特徴です。写真1が実際の大きさで、体形の大きい大人の男性の手に乗せてこの大きさです。1粒が約500mgもの大きさがあり、とくに嚥下能力が下がっているご高齢の方々には、正直なところ、お勧めできません。飲み込むときに喉につかえないか心配になります。また、独特のキツイ臭いがあり、通販サイトの商品レビューや口コミ情報でいろいろと記載されているのが目立ちます。
粉末
粉末は、「健骨・健歯・健康美 ライシア(フレスコ・ヘルスケア)」のみです。一日目安量が100㎎と、かなり少ないので、飲みやすいと思います。100㎎とは、だいたい、コーヒーを混ぜる極細のマドラースプーン一杯、または塩一振り強、一つまみ、ということです。とくに、高齢の方は適しているでしょう。しかし、小瓶には入っているものの、1日分が個装されていないので、持ち運びに便利とは言えない(不便とも言いませんが)と思います。また、粉末なので、人によって1回分の量が変わりやすい可能性が想像されます。
一方、ライシアは、錠剤とソフトカプセル(1日2粒服用目安)の商品タイプも販売予定ということで、そちらはより飲みやすい商品になっていると考えられます。メーカー情報では、錠剤は300㎎、ソフトカプセルは340㎎という一般的に飲みやすい大きさだということです。錠剤やソフトカプセルだと人によって1回分の量が変わることはなくなります。一方で、粉末は素材天然の良さがありますので、どちらが良いかは、人それぞれだと思います。
ハードカプセル(粉末入り)
ハードカプセルは、「Amorphous 100(メディエーションズ)」「ベジシリカ(フローラ)」です。ハードカプセルは、一般的に、大きくなりがちなので、若い方にはそれほどは問題がないですが、ご高齢の方には飲み込みづらいので敬遠されがちです。ご高齢の方々の中には、わざわざ、カプセルから中身だけを取り出して、オブラートに包むなどして飲む方も少なからずおられます。一方で、持ち運びには比較的便利かと思います。とくに「Amorphous 100(メディエーションズ)」は一日分が個装されています。尚、「ベジシリカ(フローラ)」は大きくて1粒でも高齢者には飲みづらいと判断できます(※1)。それよりも「Amorphous 100(メディエーションズ)」は小粒ですが、カプセル3つであるため、同様に一口では飲みづらいでしょう。
濃縮液
濃縮液タイプは「umo plus(APAコーポレーション)」、「超濃縮ケイ素PF(APAコーポレーション)」、「からだ天国(グラント)」、「ライスシリカプレミアム/RICE SILICA PREMIUM(クレディ創食)」です。濃縮液タイプは、原液に対して、大量の液体で希釈する必要があります。強アルカリ性で、メーカー自身もそのまま飲むことはお勧めしていません。上記までの商品との決定的な違いは、単体では服用できないところにあります。そのため、服用回数が増えるので、習慣化しなければ、面倒に感じる人も多いかもしれません。あるメーカーによると、複数回飲む方が良いという説明をいただき、別のメーカーによると、消化吸収の効率を考えて最も良いのは就寝前に飲むことだと説明をいただきましたが、どちらにしても、実際にはデータは見つかりませんでした。
ゲル(ゼリー状)
「シリシア(アントン・ヒューブナー)」は、ゲル(ゼリー状)の商品です。pHはそれほど高くなく、そのまま飲むことも実際には可能ですが、メーカーからは何かに薄めることが推奨されています。単体では服用しづらい事がひとつの注意点かと思います。
ミネラルウォーター
「ドクター・シリカ・ウォーター(神の郷温泉)」などのミネラルウォーターは、お水の様に飲むだけです。そういう意味では、飲みやすいと思います。しかし、実際に、1日摂取目安量と言われているケイ素40mg/日分のケイ素含有量を飲むのは、ケイ素濃度が極端に低い分、他のサプリメントと比較して大変かもしれません。
この第三の「飲みやすさ」調査は、データというよりも感想に近いものです。しかし、できるだけ客観的になるように、基準と理由に基づいた考察を行っております。第1調査「品質・信頼性」、第2調査「ケイ素単価」と比べると、「飲みやすさ」は重要ではないという方も多いかと思いますが、嚥下能力が下がってくる高齢の方々や毎日複数のサプリメントを飲む方には、有用な参考情報になるかと思われます。
【※1 補足参考情報/ 錠剤・カプセルの大きさと、飲みやすさの基準について】
参考文献:大嶋耐之・他 (2006)『内容固形製剤の服用しやすさ、掴みやすさに及ぼす製剤の大きさ、形状の影響(第一報):高齢者と学生の比較』医療薬学 vol32, No.8, p842-848(医療薬学会がJSTAGEで公開している医療薬学誌)」PDFはこちら
(※参考ページ:日本医薬学http://www.jsphcs.jp/gakkaishi/01.php)
たとえば、「ベジシリカ(フローラ)」のカプセルサイズが「21×7mm位」及び、内容量500mgと情報を、日本薬局方のカプセルサイズ及び基準内容量に照合すると0号規格に相当すると推測されます。
(※参考ページ:カプセルのサイズhttp://www.waldeninc.net/help0804.html)
この0号規格は、参考文献『内容固形製剤の服用しやすさ、掴みやすさに及ぼす製剤の大きさ、形状の影響(第一報):高齢者と学生の比較』の模擬硬カプセル剤(図2、表2)のC0に該当します。p847の図6 硬カプセル剤の飲みやすさ、掴みやすさに関する回答結果によるとカプセル番号0番は約80%の高齢者の方が飲みにくそうと感じたサイズでした。その為こちらの論文を根拠にした場合、0号規格のカプセルは飲みにくいと判断することができます。